白糸川と紅葉谷川の砂防事業について

白糸川と紅葉谷川の砂防事業

紅葉谷川庭園砂防

重要文化財

昭和20年(1945)9月17日に宮島を枕崎台風が直撃しました。
紅葉谷川の上流で発生した山崩れは、土石流となって紅葉橋、旅館、嚴島神社を次々と埋没していきました。
昭和23年「特別名勝厳島災害復旧工事」が砂防事業としてスタ-トし、史跡名勝地としてふさわしい工事を行うため、次のような「岩石公園築造趣意書」が作成されました。

  1. 巨石、大小の石材は絶対に傷つけず、また割らない。野面のまま使用する。
  2. 樹木は切らない。
  3. コンクリ-トの面は眼にふれないよう野面石で包む。
  4. 石材は他地方より運び入れない。現地にあるものを使用する。
  5. 庭園師に仕事をしてもらう。石屋さんもノミと玄翁は使わない。

紅葉谷川庭園砂防
紅葉谷川庭園砂防(奥紅葉谷)

庭園砂防は、安全性の高さはもちろん自然に溶け込んだ美しい庭園を形造っています。
戦後間もない、物資の不足している時代に行われたもので、工事に携わった人々の情熱を感じます。


白糸川渓流砂防

白糸川渓流砂防 大聖院の傍
白糸川渓流砂防 大聖院の傍

平成17年(2005)9月6日の台風14号で大規模な土石流が白糸川で発生しました。
白糸川の上流で発生した土石流は、弥山登山道大聖院ル-ト・滝ノ宮・大聖院境内の一部・滝小路・中西小路など白糸川流域を次々と破壊・埋没していきました。
直ちに、災害関連緊急砂防工事が行われるとともに、宮島らしい景観に配慮した紅葉谷川庭園砂防に習って、渓流砂防を2号堰堤から大聖院にかけての河床と護岸整備を行いました。
平成20年10月1日工事が完成し、約3年ぶりに登山道が開通いたしました。

白糸川第2号砂防堰堤
白糸川第2号砂防堰堤(下流側から)

白糸川第2号砂防堰堤
白糸川第2号砂防堰堤(上流側から)