宮島の大鳥居ついて

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大鳥居

大鳥居

国重要文化財

嚴島神社の大鳥居は、嚴島神社社殿から約160mの海上に建てられ、高さ16.6m、棟の長さ24.2m、主柱(しゅばしら)まわり9.9m、総重量は約60tとされ、木造の鳥居としては、日本最大とされ、国の重要文化財に指定されています。

現在の大鳥居は、平安時代から数えて9代目にあたるとされ、明治8年(1875)に再建されました。

構造は左右2本の主柱の前後を袖柱(そでばじら)が支える「両部鳥居(りょうぶとりい)」で、主柱は上部で大貫(おおぬき)を通して繋ぎ、その上に大鳥居の屋根下の棟にあたる笠木(かさぎ)・島木(しまぎ)が置かれています。
笠木・島木は箱状に作られており、中には約4t分の小石が詰め込まれています。
外から見ると、笠木の西側には月光(三日月)が、東側には日光(太陽)の飾金具が付けられており陰陽道の影響が見られます。

根元は海中に置かれているだけですが、地面を固めるためそれぞれの柱の下に松の丸太(杭)を打ち込み、総重量60tとされる大鳥居の安定性を高める工夫がされています。これを千本杭と言います。

主柱は耐久性や耐水性が高く防虫効果も高いクスノキ(楠)の自然木が、袖柱には杉が使われています。
しかしながら、柱の根元は満潮時には海水に浸かり、海虫が生息しやすく傷みやすい部分であるため、昭和25年(1950)から行われた修理では、傷んだ部分を新しい楠に取り替える「根継ぎ」が行われています。

大鳥居に掛けられている額には沖側(外)に「嚴嶋神社」、御本社側は「伊都岐嶋神社(いつきしまじんじゃ)」と記されています。
額の大きさは縦が約2m、横は約1.2mあり、飾りのついた額縁を含めるともっと大きくなります。


『出典:県立広島大学宮島学センター発行「大鳥居のひみつ」第2版』